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建築工房ORKS サウナ導入の経緯~私がサウナにハマってしまったきっかけ~

  • 2025.11.06

みなさん、こんにちは!

本日は、ORKSがサウナも取り扱いしている理由をご紹介します!

たまにお客様から、『サウナを入れないと家を建てられないんですか?』と聞かれることがあります。

まったくそんなことはなく、サウナなしでもたくさん施工事例はございます☺

こちらから、『サウナはどうですか?』と聞くことも一切ございませんし、サウナを入れてもらうことでORKSの利益が大きくなるとかもないです。

ただ単に、サウナを作るのが得意で、サウナを入れたいという方のみ入れています。

そんなORKSがなぜサウナを作るようになったのかを、所長の荒木のエピソードでご紹介させていただきます(^^)

【私がサウナにハマってしまったきっかけ】

今から約23年前、私が23歳の時に住宅デザイナーとして活躍していた、鈴木悟氏との出会いがあります。鈴木氏は、当時から高性能住宅・高気密の必要性を訴えていました。寒い東北だからこそ、全館暖房住宅が重要。寒いというストレスを取り除くことが、暮らしに豊かさを与えてくれる。そして、少ないエネルギーで暖めることができる、住宅の基本性能を高めることが必須であることを教えてくれました。

「こころの住まい」という著書を執筆。当時の建築知識への、外断熱・高性能住宅の執筆などしていました。

色々なご縁があり、鈴木氏からお声がけいただき、鈴木氏の元で(スタッフ)として働かせていただくことになりました。そこで、鈴木氏から、建築のデザインや住宅性能など、現在のO R K S の住宅性能の原点になっています。

スタッフとして働くことになり、私は山形に住んでいますが、会社が秋田の八森という小さな町に事務所がありました。そのため、基本的には山形でリモートワーク。20年前でリモートワークを許可してくれていましたので、当時ではとっても珍しいスタイルでした。そして、北欧のような「フレックスタイム」。規定時間を働けば自由。始業時間も作業内容や自分の予定によって決めることができました。図面作業のほかに、山形の現場は設計監理・現場管理・営業も行います。

スタッフとして働くことが決まり、研修・試用期間を兼ねて、鈴木氏の自宅に居候をさせていただく期間がありました。デザインや性能のノウハウを学ばせていただきましたが、一番記憶に残っているのが「どのように暮らすか」という暮らし方を学びました。その中の一つに今回のテーマの「サウナ」というものがありました。

鈴木氏の自宅には、一般的にいう浴槽というものがありません。そのためお風呂(湯船)に入るという習慣がないことに初めはびっくりしました。お風呂がなくて冬場問題ないの?寒くないのか?など???がいっぱいでした。全館暖房住宅ですので、冬場の寒い時期でも、どこに行っても、いつでも温かい空間になっているので、寒いからお風呂に入るという感覚はないことに気づきました。

浴槽はありませんが、6人入れるスチームサウナ(シャワー兼用)と4人入れるドライサウナがありました。鈴木氏から、サウナは入り方がわからないと、気持ちがいいと感じないから最初はレクチャーします!ということで入り方のレクチャーを受けました。

ドライサウナ。

これまで、私は、サウナは暑いだけでとっても嫌いでした。そのことも鈴木氏に話しましたが、それは入り方が悪いからだと教わりました。初日の夕方、鈴木氏と一緒にサウナを共にさせていただきました。ドライサウナは一坪くらいの大きさで、仕上げはヒノキばり。少し薄暗い照明があり、最大4人入れるサウナでした。

最初に思ったことは、私の考えているサウナよりも、かなりぬるい。温度が低い。と感じました。銭湯で入るサウナは温度が100℃ですが、鈴木氏のドライサウナは75℃程度。こんな温度じゃ温まらないよ。と思っていたら、鈴木氏が「それじゃー、ロウリュウするよ」の一言で、サウナ室内の環境が激変します。その時、ロウリュウという言葉すら知りませんでした。ロウリュウすることにより、温度は変わりませんが、湿度が急激に上昇するため一気に発汗を促してくれました。もう一度ロウリュウした後、今度はタオルで熱波を送ってくれました。今でいうアウフグースです。これにより、ますます汗がかきやすくなり、体がどんどんあったまって行きました。

サウナが嫌いという人は、ほとんどの人は銭湯のサウナが嫌いということであって、本当のサウナを知らないんだよ。と教えてくれました。現在は、ロウリュウができるサウナが多くなってきましたが、20年前は全くといっていいほど、ロウリュ可能なサウナはありませんでした。

100℃で湿度がない場合、本能的に暑くてやばいんじゃない。汗をかいたら水分なくなる。と判断し、一度汗腺を閉じてしまうそうです。そして、暑くて我慢できない状況になって、初めて汗腺を開いて汗を出す。ということになります。逆に、75℃程度の温度で湿度を上げた方が、人間の脳はリラックスできて、湿度があげることにより汗をかいても大丈夫と判断するため、すぐに汗腺を開くため汗をかきやすい空間になります。

しっかりと温まったあと、水シャワーを浴びてからウッドデッキへ移動すると言われ、屋外の寒いウッドデッキへ案内されました。「え、わざわざ寒いところに行くの?」と結構抵抗がありましたが、ボスには意見を言えるわけもなく、渋々ウッドデッキへ。

そこには、水風呂がありボスは水風呂へ。私も水風呂入るの?と心配していると、「無理に入ることないよ!この時期は十分外は寒いから、そのまま椅子に座ってて」と言われ外気浴。7分くらい過ぎ、少し寒いかなと感じた頃に、「荒木くん。もう一回サウナ行くよ!」とサウナ室にカムバック。

これを2回繰り返しました。3回目のサウナ入浴が終わり、十分に温まった状態になり、最後に水シャワーを浴びてウッドデッキへ。やっぱり水風呂には抵抗があり、水風呂は入らずに椅子に座って外気浴。

その後、しばらくするととっても心地よい気分になっていくのを感じました。これが今でいう整ったという瞬間だったと思います。多分、この状態になるように鈴木氏がレクチャーしてくれたんだなぁと思いました。そんなことを感じているところに、鈴木氏がビールを持ってきてくれました。サウナ後のビール。そして、ウッドデッキは海側で、ふと顔をあげると夕日が沈む瞬間。サウナ後に夕陽を見ながらのビールで乾杯。

仕事おわりのサウナ。そしてキレイな夕陽見ながらのビール。それが本当の豊かな暮らし方だと、改めて感じました。

なぜ水風呂や外気浴が必要なのか。多分、皆さんが疑問に思うところです。

実は、汗腺をしめるためです。

サウナに入ると汗腺が広がり汗を出します。そして体を温めてくれます。例えばその後、すぐにタオルで体を拭いて服を着たとします。そうすれば、汗腺は開いた状態のままのため、服を着た後からどんどん汗をかいて、せっかくサウナで温まった熱が逃げてしまいます。これが一般的にいう湯冷めです。

逆に、サウナ後に水風呂や寒いところでの外気浴をします。そうすることにより、開いていた汗腺が一気に閉じます。そうなることにより、サウナで温まった熱を体の中に閉じ込めることができ、その後服を着ても汗をかくことがなく、暖かさが長く続きます。これは、寒い北欧の暮らしの知恵なんだと思います。

外気浴の場合、どれくらいの時間が目安?とよく聞かれますが、外気浴直後は、身体中から湯気が出ていて見えると思います。だんだん冷えてくると汗腺が一気に閉じ、湯気が出なくなる瞬間がきます。その瞬間が服を着るタイミングだと、鈴木氏から教わりました。

汗腺が閉まればいいので、無理をして水風呂に入らなくても良いと私は思います。私自身も、冬の期間は体への負担が大きくなるので、水風呂には入らずに外気浴で汗腺をしめます。夏場の場合は、外気浴をしてもなかなかしまりませんので、水風呂がお勧めです。

居候期間、ドライサウナは早朝に入っていました。家が温かいと、寒くて起きられないということがないので、毎朝4時半頃には起床していました。ちょうど季節は春先。まだまだ肌寒い時期でしたが、朝早く起きて、鈴木氏と一緒に散歩に行きました。鈴木氏の自宅は、海沿いの高台にあります。そのため、西にちょっと行けば日本海。東に行けば小高い山があります。散歩は、時には海の方へ行ってワカメや海苔を取ってきて、朝食の味噌汁へ。時には山の方へ行って、山菜を取って朝食から山菜の天ぷら!など、これが本当の豊かな暮らしなんだなぁと教えてもらった気がしました。

散歩から帰ってきてから、ドライサウナに入り、上記の入り方で楽しみました。

次に、スチームサウナ。

お風呂の代わりに毎日夜入るのがスチームサウナ。キャビンの中にはシャワーもあるので、頭も身体もスチームサウナに入りながら洗うことができるので、一石二鳥。室温は好みもあるけど、45度から48度がお勧め。

スチームとミストを一緒に考えている人が多いが、スチームとミストは全くの別物であることを教えてくれました。ミストは液体のため、体にミスト(液体)が付着した時に一度体の熱を奪ってしまうため、体がなかなか温まらない。温まるまで時間がかかるので、ミストサウナって寒いよね。。。と思っている人が多い。ミスト=スチームと認識しているので、スチームも同じように考えているのが残念であること。

スチームは気体です。そのため、体の表面を一気に温めてくれます。蒸気を発生してくれてキャビン内は湿度100%の状態になります。口から吸って鼻から出す呼吸をすることにより、喉にも蒸気が入り潤してくれます。そのため、体の内部からしっかりと温めてくれます。シャワーもあるので、暑くなったら水シャワーでリセットすることも可能ですので、これがとても気持ちがいいです。吹き出し口に、アロマオイルを入れるところがあるので、アロマの香りを楽しみながらスチームサウナを楽しむことができます。

十分に温まったら、水シャワーで体を流したらウッドデッキへ行って外気浴をします。こちらも同じように、汗腺がしまるように外気浴を楽しみます。

住宅性能とサウナ

ORKSは創業当時の17年前から、サウナのある暮らしをご提案しています。

もちろん、私の自宅にもドライサウナとスチームサウナがあります。浴槽は必要ないと判断し、サウナのみでの生活をしています。子供も3人いますが、浴槽がないのが当たり前だと考えているので、サウナのある暮らしを実践しています。基本的には、毎日夜は入るのはスチームサウナ。これがお風呂の代わりになります。

ドライサウナは、朝に私が利用することが多いです。プライベートサウナですので、腹筋したり、本を読んだり、音楽を聴いたり、自由です。休みの日には、外気浴スペースにビール準備しておいて、外気浴時間に少量のビールを飲んで楽しんでいます。

息子は高校で野球をしていて、筋トレの日は、帰宅してからドライサウナに入って筋肉のリカバリーのために利用しています。

住宅は基本性能が最も重要だと考えています。断熱・気密・機能性。これをバランスよくデザインすることが大事だと考えています。そこにサウナをプラスしています。実はサウナとの相性も良いです。山形は四季のはっきりした県です。夏はとっても暑い。そして冬は寒いし積雪も多いです。そんな過酷な環境の中だからこそ、快適に暮らしていける、高性能住宅が必要なのです。サウナは、冬の部分でより活躍します。サウナがあることにより、サウナの熱を利用して、暖房の一部にすることが可能です。せっかく温めるんだから、部屋の暖房の一部(熱源)に利用したいと考えています。

逆に夏場は暑くなりますので、暑い熱を逃すような配慮も必要です。

寒い山形の冬。サウナのある暮らしにより、極寒の時期を楽しくすることができます。外気浴なんて、寒ければ寒いほど気持ちがいいものです。

創業当時は、サウナなんて贅沢品と思われていましたが、近年のサウナブームにより、必需品に変わってきました。これまで、住宅への設置は50件以上、施設関係も多く設計・施工してきました。

今後、住宅とサウナの可能性をもっともっと追求して行きたいと思います。

2025年 10月11日(土)  建築工房ORKS株式会社  荒木直之