1階ダイニングからキッチンとリビングを望む。南東、南西側に設けた開口から光を取り込むので一日中明るい

光と景色を取り込んだ
三世代が心地よく暮らす家

米沢市・Kさん宅 / 新築

奥さんの実家で三世代で同居をしていたKさんご夫妻。住まいは築100年以上の農家住宅で、冬の寒さが一番の悩みでした。リノベーションも検討したものの、木材の状態や住まいとしての機能性を考えて新築を決意。建築工房ORKSの住宅性能の高さに興味を持って見学会に参加したというご夫妻は、「性能もだけどデザインもいいし、何より面白い家がつくれそうだなと思いました」と依頼の決め手を話します。

ご夫妻が希望したのは、玄関と水まわりの一部を共有する二世帯住宅。1階には勝手口を設け、農作業を終えて帰宅したご両親がそのままランドリー、洗面所、浴室へ行けること、お祖母様が移動しやすいように和室と寝室をつなぐこと、寝室の近くにトイレを配置することなど、暮らしやすさにこだわりました。

2階のLDKは、3方向に設けた開口が明るく開放的な空間を生み出しています。南西側の開口からは遠くに吾妻連峰、眼下に畑や果樹園を望むことができ、四季折々の景色を楽しめます。「朝起きると朝日を眺めながらコーヒーを飲んで、それから動き始めます。リラックスして過ごす時間が増えました」と話すように、Kさんは景色を取り込むリビングがお気に入り。キャンプが趣味で希望したバルコニーは、薪ストーブやBBQ、ハンモックなどアウトドアを楽しめるようになっています。そして、打ち合わせ中に体験し、気に入って導入したというドライサウナは家族からも大好評です。

暖房方式に床下エアコンを採用したKさん宅は、ご両親も「予想以上に暖かく、寒いと感じることがないです」と満面の笑顔。床下エアコン1台で家全体を快適な温熱環境に保てるのは、北海道基準をクリアする確かな断熱性能があればこそ。「家の中の温度差がないバリアフリー」が三世代に心地よい暮らしをもたらしています。

Reported by Replan
家族が集まる1階のLDKは、ウォールナットの無垢フローリングに合わせて家具を造作し、木の温もりと落ち着きあふれる空間に
横並びのキッチン・ダイニングは食事の配膳・片付けがスムーズ。キッチンの後ろにランドリー、洗面所、浴室をまとめているので家事動線が短い
スケルトン階段を採用しているので2階開口から取り込んだ光が階段下まで行き渡る
圧倒的な開放感を感じさせる2階LDK。南西側の開口からは遠くに吾妻連峰、眼下に畑や果樹園を望むことができる。ホームシアターを設置しており、アウトドアリビング、サウナとともに豊かなおうち時間を実現している
2階はボルドーパインの無垢フローリングを採用。リビングとキッチン・ダイニングの間をカーテンでゆるやかに仕切れるようにしている
大開口からたくさんの光と景色を取り込むリビング・ダイニング。家の中にいながら四季折々の自然を感じることができる
ダイニングからは景色をぐるりと見渡せる。鳥海山の埋れ木を天板にした一枚板のダイニングテーブルが存在感を放つ
2階に4.5帖の子ども部屋を2室設けている。親世帯・子世帯のLDKと寝室は上下で重ならないように配置
薪ストーブやBBQ、ハンモックなどアウトドアが楽しめる6帖のバルコニーの手すりには、透明なパネルを採用して開放感を演出。火を使えるように床材はタイル、壁材は防火認定外壁材ウイルウォールで設えている
キャンプが趣味のKさんが選んだ「マウントスミ」のアウトドア用薪ストーブ
2階にトイレ・洗面所を設けているので家族が増えても安心
打ち合わせ中に体験し、気に入って導入したTYLO社のドライサウナ。温度は40~100℃まで調節可能で、セルフロウリュも楽しめる
ランドリーは勝手口の隣にあり、農作業で汚れた服を洗濯カゴに入れたらそのまま洗面所、浴室へ進める
以前の住まいで使われていた飾り障子を和室に再利用し、思い出を残した
玄関から入ると右手に和室と寝室、左手にLDKがあり、階段を介して生活空間が分かれている。和室の引き込み障子は洋室にも合うデザインをチョイス
玄関ポーチは屋根と壁で覆い、雪や風の吹き込みを防いでいる。奥には雪かき道具を入れられる収納を完備
段差の大きな差し掛け屋根が印象的な外観は、白いガルバリウム鋼板の外壁にレッドシダーを組み合わせ、スタイリッシュさの中にも温もりを感じさせる
南西側から外観を望む。光と景色を取り込む開口は、1階は掃き出し窓、2階はFIX窓を採用している