LDKのフローリングは裸足が心地よい無垢オーク材を使用。夏はエアコン1台で涼しく、冬はパネルヒーターが家全体を暖める

築34年の平屋をリノベーション
建物と景色が思い出をつなぐ

山形市・Iさん宅 / リノベーション

実家を建て替えするつもりで家づくりを考え始めたIさんご夫妻。建築工房ORKSの完成見学会へ何度も足を運び、「家のつくりがしっかりしていてデザイン性も良い。何よりスタッフのみなさんの人柄が良い」と依頼を決意しました。「冬の寒さを解消したい」「平屋が暮らしやすい」「カフェのようなLDK」など希望を伝えたご夫妻に、建築工房ORKSが提案したのは、既存の建物を活かしたリノベーションでした。

築34年の木造平屋はご両親が大事に暮らしてきたことが伝わる良い状態だったことから、スケルトンリフォームが可能であると判断。実家を取り壊すことにためらいも感じていたご夫妻は、喜んでリノベーションを選択しました。

生まれ変わったIさん宅は、焼スギ板張りの外壁が目を引きます。玄関を入ると広がる、3方向の開口から光が降り注ぐLDKの大空間。「窓からの眺めが変わらないことも気に入っています」とIさんが話すように、以前と同じ位置に配した出窓の先には和風の庭があり、今も変わらぬ姿で季節の移ろいを伝えています。

大きな悩みだった寒さ対策には、新たに断熱材を施して新築同等の断熱性・気密性を確保しました。冬はパネルヒーターで家全体を暖めるほか、導入したドライサウナの余熱も熱源のひとつになっています。週末に2人の息子さんと入ることが多いというサウナは、父と子のコミュニケーションの時間になっているそう。

思い出を引き継ぐとともに、ライフスタイルに合わせた希望の暮らしを叶えたIさんご家族。「予算を抑えられた点も良かったですね。快適でとても暮らしやすいです」と笑顔で語ってくれました。

Reported by Replan
カフェをイメージしたキッチンはカウンターにあしらった古材風オーク材と落ち着いたグリーンカラーのタイルがおしゃれ
間接照明がキッチンとダイニングを明るく照らす。ダイニングテーブルは使用する椅子とキッチン幅に合わせて造作したもの
庭を眺められるように、以前の家と同じ場所にコーナー出窓を配置。窓の位置を少し下げたことで「眺めが良くなった」とIさん
ユーティリティのタイルは奥さんお気に入り。インテリアは建築工房ORKSが家のイメージに合うものを数点に絞って提案し、その中からご夫妻が選んだそう
息子たちと入るドライサウナは新しい暮らしのもうひとつの楽しみ
玄関ドアを開けるとすぐLDKにつながっているが、L字動線になっているため来客があっても丸見えになることはない
玄関ではキュートな郵便受け「BOMPOS(ボンポス)」がお出迎え。ブラックの外観に真っ赤なボディがクールに映える
子ども部屋のある建物西側を一部増築。モダンな印象の焼スギ板張りは、ご両親が遺した和風の庭との調和を考えて和洋どちらにも合うものを選んだ
リノベーション前の外観
リノベーション前のリビング・ダイニング
DATA
■家族構成 夫婦40代、子ども2人
■構造規模 木造(在来工法)・平屋建て
■延床面積 98.95㎡(約30坪)

■主な仕上げ
<外部> 屋根/ガルバリウム鋼板、外壁/焼スギ板張・金属サイディング、建具/玄関ドア:木製断熱ドア、窓:樹脂サッシ
<内部> 床/オーク無垢フロア、壁・天井/ケンコート・クロス
■断熱仕様
<外張断熱+付加断熱> 床下/A種押出法ポリスチレンフォーム保温板3種b50㎜+30㎜、壁/高性能グラスウール24㎏105㎜+A種押出法ポリスチレンフォーム保温板3種b30㎜、天井/高性能グラスウール24㎏105㎜+105㎜+A種押出法ポリスチレンフォーム保温板3種b50㎜
■暖房方式 パネルヒーター

■住宅性能
<断熱性能> UA値:0.29W/㎡K
<気密性能> C値:0.53㎠/㎡